開催日程を決める

イベントの開催は参加者が集まりやすいときを選んで開催しなければなりません。趣味のイベントなのか仕事に関わるイベントなのか、会社員が多いのか主婦が多いのかなど、参加者によって開催に向いた日と向いていない日があります。ここでは開催日程と時間についての考え方を説明します。

開催曜日と時間

イベントは参加者によって、どの曜日に開催しやすいかが変わります。

経営に関する内容など会社の仕事に直接関わるような内容であれば、平日の午後に会社からの費用で参加する人も多いはずですが、趣味の内容であれば、土日が休みの会社員の参加はあまり見込めません。

同じ平日であっても、仕事が終わるような時間帯での開催なら、終業後に参加できるという人は増えるでしょう。しかし、残業や急な業務で参加できなくなったり、遅刻するという人も出てきます。特に無料のイベントの場合には、どうしても優先度が低くなりますので、他の予定を優先されることもあります。

会社の業務として参加するようなイベントだと、業務時間内に開催するのがおすすめです。夜だとイベントへの参加そのものが残業になってしまうかもしれません。イベントの内容や会社の業務内容によっては、参加を残業と認めないこともあるでしょう。

個人参加の意味合いが強いような内容のイベントであれば、業務時間を外すのが無難です。

このように開催曜日・時間と費用は関連が強いため、参加者の属性を想定して、まず参加しやすい曜日と時間帯を設定していきます。

趣味のイベント

趣味や遊びに関するイベントであれば、土日祝の開催が望ましいでしょう。もちろん週末が休みでない人もいますが、そのような人たちも参加するのであれば、平日も含めた複数の日程で開催することを考えてみましょう。

平日の夜に開催する場合には、仕事が終わってからということになるので、イベントの開始時間は早くても18時半や19時になります。趣味のイベントよりは仕事が優先されますので、参加率が少なくなる傾向があります。

また参加者の翌日の仕事や帰宅する時間を考えた場合、イベントの終了時間があまり遅くなると参加者しにくくなるため、21時~21時半までには終了させた方がよいでしょう。

平日の夜の開催は、主催者側にとっても、参加者にとっても時間の制約が大きいことを覚えておきましょう。

仕事に関するイベント

難しいのは会社の業務に関わるものです。特定の業界による情報交換や勉強会であれば、会社から業務として参加するという場合も多いため、平日の午後で問題ありません。いわゆる「研修」のような扱いとなります。そのような扱いにしてもらえるイベントであれば、1社から複数の人が参加してくれることもあります。

また展示会のように業務に関するサービスや商品を紹介するようなイベントも、平日の業務時間内の開催にするとよいでしょう。土日祝であれば、参加者は休日出勤になる可能性が上がり、会社も手当を出さなければならないことも多いため、敬遠されやすくなります。

イベントの参加を会社が業務として認めない場合には、参加者個人として申し込むことになります。このような場合には参加者が有給や半休を使って参加することも考えられます。

個人参加で自腹になる場合だと、高額な参加費を払うのは難しい人も多くなります。また個人で積極的にイベントに参加している人は、おそらく他のイベントにも興味を持っているはずで、そのすべてにお金を払って参加するのが難しく、イベントの内容を吟味して、本当に参加したいものだけに参加するでしょう。

一般的に開催曜日を決める場合には、参加費が高額なものは平日、無料あるいは安いものは土日祝に開催した方が集客はしやすくなります。

他には朝の就業前の時間に行われるものもあります。ホテルのレストランやカフェなどで、朝7時くらいから定期的に集まる勉強会・交流会です。しっかり勉強するというタイプのセミナーなどは難しいですが、就業前なのでビジネスマンの予定も確保しやすい時間帯です。ただし、時間に制限があるので、商談などをしっかり行うのには向いていません。

1時間単位の料金表示例
メリット デメリット
平日
  • 週末に参加できない人が参加しやすい
  • 業務としてイベントに参加できる
  • 自主的に勉強したい会社員が参加しにくい
  • 時間に制約がある
土日祝
  • 平日に仕事をしている人が参加しやすい
  • 休みの人が多く、集客しやすい
  • 仕事に関する内容だと休みがなくなる場合がある

ポイント

イベントの開催曜日は、主催者の都合ではなく、参加者の属性と内容で決めていきましょう。想定する参加者がどの曜日であれば参加しやすいのか、仕事に関するものであれば、個人で払える金額かどうか、出勤扱いされそうなものはどうかにも注意しておきましょう。

参加してくれそうな人に直接聞けるのであれば、何名かにいつの開催だと参加できそうか聞いてみるのがおすすめです。

受付開始時間(開場時間)の設定

開場の基本はイベント開始の30分前

イベントには開始前の受付や参加者の準備(席に着く・トイレに行く・筆記具を用意するなど)の時間が必要なため、イベントの開始時間より少し前に会場で受付する時間(開場時間)を設けます。これを書いておかなければ、参加者は開始時間ギリギリに来ることが多く、同じ時間帯に受付が集中し、イベントの開始が遅れることがあるため、必ず告知ページなどには開場時間を記載しましょう。

50~60名までのイベントであれば、イベント開始の30分くらい前に開場すればよいでしょうが、それ以上の規模ですと、もう少し余裕を持たせて、45分前や60分前の開場にするのが無難です。

また「イベント開始直前は受付が混雑しますので、余裕を持って会場にお越しください」などとアナウンスしておくのもよいでしょう。

受付での渋滞に注意

イベントの規模が小さければ受付の時間は短くて済みますが、大人数のイベントの場合には同じ時間帯に参加者が殺到し、受付で渋滞を起こす可能性もあります。特に開始時間ギリギリには、駆け込みでやってくる人による渋滞は、イベントの開始時間に影響するため注意が必要です。

受付人数は参加者25~30名につき1人くらいの人員で考えておけば大丈夫ですが、当日払いのイベントでは、参加のチェックだけではなく、支払いやお釣り・領収書の手渡しなどで、思った以上に時間が取られます。支払い済みの人とそうでない人がいる場合には、支払い専用の受付を設けるなど、受付人員を少し増やして対応するとよいでしょう。

受付で長時間並ばされると、参加者のモチベーションが下がってしまいます。受付は主催者と参加者が直に接するタイミングでもありますので、そこでイベントの満足度を下げないようにしましょう。

受付の遅れはイベント終了の遅れ

受付が混雑して本編のイベントの開始が遅れることがあります。その場合に、イベントの長さを調整することはできません。参加者がイベントの内容に時間やお金を使っているので、その部分を削れば著しく満足度が下がり、主催者への不信感につながります。そのため、終了時間をずらすことになります。

野球の試合のように、最初から終了時間がわからないようなイベントであればよいのですが、それ以外のイベントの場合には、参加者がその後に別の予定が入っていることもあります。次の予定に間に合わなければ、イベントが終わる前に退席しなくてはならないかもしれません。

進行の遅れはさまざまな点でデメリットしかありません。イベントの開始時間・終了時間は必ず守るようにし、余裕を持った受付体制を準備しておくことが必要です。

ポイント

受付開始(開場時間)には余裕を持たせるようにしましょう。特に当日払いを行う場合には作業も増えて受付が詰まりがちになります。受付で並んだり、終了時間がむやみに延びることを喜ぶ参加者はまずいません。イベント自体の満足度を下げないためにも、スムーズな受付ができるように準備しておきましょう。また終了時間もできるだけ守るようにしましょう。

終了に適した時間帯

イベントの終了時間は、参加者のその後の予定を考えて設定しましょう。

お昼開催のイベントであれば、夜の予定が入っている人もいるかもしれません。そのため、17~18時に終了すれば、次の予定が入っていても参加しやすくなります。

夜の開催の場合は、夕食や帰りの電車、次の日の仕事の心配が出てきます。あまり遅い終了時間だと中途退席する人も出てきます。基本的には21時、遅くとも21時半の終了を目安にしておきましょう。

また会場の使用時間にも気をつけておきます。ほとんどの会場では利用時間に片付けの時間も含まれていますので、イベントを終わらせて片付ける時間も考慮して、終了時間を決定します。

夜の場合など、会場が21時までしか使えない場合には、使用終了時間の30分前に20時半をイベントの終了時間とし、そこから時間内に撤収できるようにします。持ち込みや設置する機器などがある場合には、その片付け時間なども考慮しておきましょう。

時間内に終わらない場合には、延長料金などが発生することもありますので、余裕をもったタイムテーブルを組むことが必要です。

ポイント

参加者はイベントの次に別の予定を入れているかもしれません。終了時間は守るようにしましょう。また会場の利用時間にも注意してください。利用時間内に退出できなければ、延長料金が発生することもあります。

最後に

イベントは一般的には参加しやすい時間帯がありますが、小規模のイベントの場合には、知人や興味を強く持っている人の都合を優先して開催してもよいでしょう。
開始時間・終了時間は告知しているものを守るようにしましょう。時間にルーズなイベントであると思われると、次回からは参加されにくくなります。また会場の料金の心配もあるため、スムーズな進行ができるよう余裕を持った時間を設定しましょう。