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草稿・テキスト研究所2021年度シンポジウム

2022年2月19日(土) 13:00〜15:30

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著者意識・版権から英国書物出版の歴史を概観する

イベント形態 オンライン
Webセミナー Zoom
料金制度 無料イベント
ジャンル >
事務局 草稿テキスト研究所    お問合せ ※当イベントは上記の事務局によって企画・運営されており、(株)こくちーずは関与しておりません

イベント詳細

2021年度シンポジウム

★★本シンポジウムの受付は終了しました★★

このシンポジウムが企画される切っ掛けになったのは、草稿・テキスト研究所所員である村里が専門とする16世紀イングランドの代表的詩人サー・フィリップ・シドニーの代表作とされる『ペンブルック伯爵夫人のアーケイディア』の古書2部を研究所の予算で購入していただいたことによるものだ。同書は、元来、著者没後に友人、妹等の編集により編集・出版がなされた経緯があり、本文の確定に興味深い問題を孕んでいる。その際に、思い立ったことは、印刷術が始まったころ、つまりその前後のイングランドでの出版事情やテキストの生成について概観した上で、シドニーの作品本文を考察してみれば、面白いのではないかということだ。そこで、中世と初期印刷本を専門とする友人の向井氏に相談し、賛同を得た。そのようなトピックは、「草稿・テキスト研究所」主催のシンポジウムとして相応しいのではないかと思い当り、もうお二人の有志を募り、4名の講師を揃えて、シンポジウムを開催しようということになったのである。

4名の講師の専門領域は、イングランドの中世から16-17世紀という、活版印刷術による作品出版が隆盛をみる今日のWEB上のテキスト生成観に通じる特徴を有す中世から刊本揺籃期を経て、やがて著作権意識が誕生する時代との間には、著者や出版にかかわる人たちのテキスト観が異なる。「開かれた本文」であったものが、著者自身がオリジナリティと所有権を主張する「閉じられた本文」へと変化する。加えて、そこに宗教書や演劇作品を主たる対象として検閲制度が導入されてくる。
本シンポジウムは、先ず都地沙央里氏(福岡女子大学)に「著者、テキスト、出版業者そして読者の関係を眺める」と題して、テキスト生成の移り行きについて概観をお願いし、他の3講師が個別問題を論じるための展望を与えていただく。次に、向井剛氏(福岡女子大学)には、「テキスト改変を目撃する―W.シン版(1532年)のトロイラス物語をめぐって」により、過去のチョーサー作品が時代の思潮に合わせてテキストに改編がなされる様を論じていただく。ルネサンス演劇統制史に造詣が深い太田一昭(九州大学名誉教授)からは、「初期近代英国における戯曲の出版―作者、劇団、宮廷祝典局長、書籍出版業組合、出版認可・検閲、版権-」のテーマで、他の作品ジャンルと比較して、当時の戯曲出版がどのようなプロセスを経て出版されていたかをシェイクスピアの事例をもとに語っていただく。最後に村里好俊(大妻女子大学)が、「シドニー作『アーケイディア』の 手稿本と刊本をめぐって」と題して、著者没後に編集・出版された特異性とともに、未完の作品がどのように読者に提示されたかを論じてみたい。
草稿・テキストの研究課題を中心に据える研究所のシンポジウムとして、本提案はまことに相応しいと企画であると信じる。

 



開催場所

オンライン


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イベントチケット 金額(税込) 状態
草稿・テキスト研究所2021年度シンポジウム
Zoom
無料 終了
募集期間:2022年1月24日(月) 00:00〜2022年2月18日(金) 00:00

イベントは終了しました


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  • 受付開始時間を【1時間前】から【2時間前】に変更しました。2022年2月19日(土) 11:15


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