第4回 子どものこころ専門医と考える能動的な子育てセミナー 受動的な子どもが 能動性を発揮するまでの道のり

はじめまして。

小児精神科医の渡邉恵里です。

「子育てに疲れた」

「育児が不安で楽しめない」

「子どもは元気だけれど、自分は子どもに合わせすぎて気持ちに余裕がない」

「子どもとどう接したらいいのかわからない」

こうした悩みを抱えておられる親御さんは少なくないと思います。

私は小児精神科医(子どものこころ専門医)として精神科クリニックで勤務し、

不登校や発達の問題、精神疾患などのお子さんの治療を行っています。

心の問題を抱えた子に共通していることは

「行動のうち、受動の割合が大半を占めている」ということ。

中には、その子自身、「能動性」すなわち「自分がイキイキした状態がわからない」

という状態も珍しくありません。

そこに着目をし、「能動を引き出し、受動の立場を減らす」アプローチをすることで、

子どもたちが元気になり、自分らしさを発揮する力を持つようになっていくことがわかりました。

これまで、著書や講演会で「能動的な子育て」についてお話をしてきましたが、「もっと具体的な話を聞きたい」とのご意見が多く寄せられました。

そこで今回、発達の凸凹があるお子さん2人を育てられたりんりん先生をゲストとしてお招きし、

小学生時代に場面緘黙となった上のお子さんが場面緘黙を克服し、大学へ進学するまでの道のりについて、対談します。

いかに受動の状態から能動を手に入れたのか、

親としてどうお子さんと向き合ったのか…

具体的なお話を通して、「能動的な子育て」について、考えてみませんか？

ゲスト：思春期ペアトレトレーナー　りんりん先生

関西在住の神経発達症の診断のある2人の子育て中。上の子は大学3年生で他県で下宿生活。下の子は高校2年生で中高一貫校に通学。2人共、学校生活での不適応があり、ペアトレ、SST、音楽療法、カウンセリングと薬物治療を受けてきた。上の子が小学校高学年の際、場面緘黙症を発症。当時、知的に遅れのない子のための療育はあまり充実しておらず、親が支えるためにペアトレ、タブレットを使った支援、発達症の理解を親の会や事例検討会、各種講演会で学ぶ。親の会やSNSで他の保護者さんたちのお悩みによりそってきた経験を活かして、思春期の保護者さん向けのオンラインペアトレと、トレーナー同士の勉強会を主宰している。

インタビュアー：小児精神科医 (子どものこころ専門医)　渡邉恵里

10年間小児科で心身症や発達障害、数多くの育児相談に携わった後、2017年より精神科である川谷医院に勤務し、子どものこころの診療にあたっている。複合型福祉事業所である株式会社ドンマイの取締役として、放課後等デイサービス、就労支援事業所、精神科特化型訪問看護ステーション・ヘルパーステーションのスタッフ支援にも携わる。合同会社ゼロトイチカラでは、代表取締役として、オンラインコミュニティーを通じて子育てに悩む親支援を行い、こころの病気の予防に取り組む。