MBSRオリエンテーション

講師からのメッセージ
臨床心理士方へ

マインドフルネスを心理臨床に取り入れたいとお考えの方も多いのではないでしょうか？一方で、このようなお話もよく耳にします。

・マインドフルネスを紹介したけれど患者さんが取り組んでくれない。

・自分自身がマインドフルネスについてあまりよく分かっていない。

・マインドフルネスをどのように伝えればよいか分からない。

一つでも当てはまる方は、まずご自身がしっかりとマインドフルネスを学んでみることをお勧めします。なぜなら、マインドフルネスは小手先のツールではないからです。支援者である心理士自身がマインドフルネスを深く理解することが本当の意味での臨床応用への近道になります。

医療、教育、介護などの場で支援に携わる方へ

仕事の場で自分自身の精神的な揺れが支援の質を下げていると感じたことはないでしょうか？
例えば・・・

・朝の家族喧嘩が頭の中でグルグル回っていて相手の話を聞けていない。

・受験生の子どもの勉強が気になって気もそぞろで働いている。

・患者さんが連絡なしで来なかった時のザワザワが次の診察に影響する。

・つい感情的に発言してしまう。

・感情移入しすぎて消耗してしまう。

これまで心理士として医療機関で働く中で、自分のプライベートなストレスからくる揺れがカウンセリングの質に大きく影響していると感じてきました。心の専門家はストレスフリーで穏やかな毎日を過ごしていると思われがちですが、実際には心理士も日々揺れています。長い間、その揺れを表に出さないように必死で押し込めたり無視しながら仕事をしてきました。その揺れは仕事上邪魔なものだと思っていたからです。そして、そんな自分を情けないと思っていました。

しかし、マインドフルネスを学んで気づいたことがあります。それは、「揺れるのは当然」ということです。問題はその揺れに無自覚であったり、自覚があっても感情的に反応したり、揺れをなんとかするために多くのエネルギーを費やしてしまうことで目の前の人に十分に貢献できなくなることです。

マインドフルネスでは、揺れを止めようとはしません。むしろ揺れいてることにしっかりと気付き、受け入れて、その揺れと一緒に前進する方法を学びます。私自身は、マインドフルネスの実践を通して支援の質に大きな変化を感じています。皆さまにとっても仕事の質、人生の質を向上させるものであれば嬉しく思います。

講師プロフィール 

野田智美

臨床心理士／公認心理師／臨床神経心理士／PhD（京都大学）
京都大学医学研究科研究科精神医学教室研究員／医療機関勤務歴13年／瞑想歴約７年

2018年 京都大学医学研究科にてマインドフルネス研究開始（研究成果）
2020年 マサチューセッツ大学マインドフルネスセンター MBSR受講
2021年 ブラウン大学MBSR講師トレーニング開始
  (2021年)
・Space for knowing the moment 4日間
・Foundations 10週間
・Mindfulness and Compassion 5日間
  (2022年)
・Teachers Advancement Intensive 10週間
・Insight Inside Us 5日間
・Study group and Skill building 10週間
  (2023年)
・Ethos of Mindfulness 10週間
・Dialogue and Inquiry 4週間
2022年 ブラウン大学MBSR Level 1 講師認定 （認定確認はこちら）
2022年 京都大学医学部附属病院医療従事者向けマインドフルネス実践会共同主催開始
2023年 京都大学医学部附属病院精神科にてマインドフルネスプログラム開始
2023年 瞑想コミュニティ「しずかにつながるプロジェクト」開始

オリエンテーションの日時

2024年1月14日（日） 9:00AM 〜10:30AM
        又は
2024年1月21日（日） 9:00AM 〜10:30AM

※本プログラムに参加を希望される方はどちらかのオリエンテーションにご参加ください。


MBSR内容

オリエンテーション
マインドフルネスの定義、科学的背景、リスクとベネフィットを紹介します。MBSRプログラムの中で行われる瞑想やディスカッションを体験して頂いた後に質疑応答の時間を設けます。


第1回 Doing からBeingへ
グループ学習の土台を作ります。マインドフルネスの定義を確認し、食べる瞑想、集中瞑想、ボディスキャン瞑想を実践します。心と体のつながりを探求します。


第2回 知覚と創造的な対応
双方向の対話と学習及びマインドフルネスの実践を通じて、世界をどのように見ているかを検討します。私たちが情報をどのように認識し、取り入れ、それによって何をするかについて創造的に探求します。


第3回 今ここにいる力
「楽しい経験」と、それが人の思考、感情、感覚の中でどのように経験されるかを探ります。横になって行うヨガ、座って行う瞑想、のマインドフルな動きなど、さまざまなマインドフルネス瞑想の実践を統合します。質問や発見の共有、難しさなどを含めて話し合います。


第4回 不快な感覚の探索
闘争、逃走、凍結の生理学と心理学を学び、ストレスに関連した個人のパターンを探究します。好奇心と寛容さを実践を通じて養います。


第5回 習慣的な反応性に気づく
マインドフルネスがストレスサイクルをどのように中断するかを学びます。思考、感情、感覚に集中し続けることによって、行き詰まりや不適切な反応パターンをどのようにストップできるかについて探究します。


第6回 対人関係のストレスとマインドフルネス
創造的な対応、強い感情への創造的な対処を生活の中に持ち込む方法を探索します。常に冷静でいられることではなく、自分がストレスの真っ只中にいることに気づいたときに何をすべきか、そして自分自身をどのようにケアするかを知っていることが期待されます。


サイレントリトリート（終日プログラム） 実践の拡張
優しさ、好奇心と興味、自己主権、選択など、実践とそれに伴う特質というレンズを通して、自分たちの生活を間近で新鮮に見る機会を提供します。


第7回 マインドフルネスと日常の融合
定期的な毎日のマインドフルネスの実践を確立するとともに、マインドフルネスを習慣として生活に取り入れる方法を探ります。


第8回 ふりかえりと祝福
これまで学んできた瞑想をもう一度に実践し、学習が達成されたことを仲間と一緒に祝います。マインドフルネスの実践をどのように前進させていくかを話し合います。

MBSR日程

2024/1/28 – 2024/3/24
毎週日曜日 9:00 – 11:30
※ 初回と最終回は12:00まで
※ 3/10は終日プログラム

MBSR概要

1, 週1回のオンラインセッション
毎週2時間半のセッションをZoomを利用して行います。初回と最終回は3時間のセッションです。2時間半〜3時間と聞くと長く感じられるかもしれませんが、このプログラムは体験的な学びを重視していますので多くの方からあっという間に過ぎていくという感想を頂いています。

2, 様々な瞑想を学ぶ
ボディスキャン、食べる瞑想、マインドフルヨーガ、集中瞑想、観察瞑想、歩く瞑想、山の瞑想、慈愛の瞑想など、さまざまな瞑想を一緒に実践していきます。

3, 講義
ストレス心理学、生理学、ストレスへのバビチュアルな反応パターンや、それらに対してマインドフルネスがどのような作用するかについて講義形式で学びます。

4, Q＆A
日々の瞑想実践を通してマインドフルネスを学ぶ中で、出てきた疑問や困難さをセッション中に講師に直接ご質問頂けます。このような双方向のやりとりを通して参加者全員の学びの場を形成します。

5, ホームプラクティス
日々の瞑想実践をホームプラクティスとしてご提案します。体験に基づく深い学びを支える大切な時間となります。

6, セルフケア
週1回のセッションや日々の瞑想を通して心身のストレスに気づくことで、普段おろそかに後回しにしがちなセルフケアを適切に行う機会となります。

7, 仲間と出会う
参加者同士の話し合いや感想の共有の場が多くあります。プログラムを通して、ともにマインドフルネスを学ぶ仲間との繋がりを深めて頂けます。参加者同士の話から多くの気づきを得られることがMBSRの醍醐味です。

野田主催のMBSRで受け取れるもの

1, 事前に講師と個別面談を行います。
2, 参加者専用のWebsiteにご案内します。
3, 瞑想用の音声ガイダンスをお渡しします。MBSR修了後もお使い頂けます。
4, 第5回と第6回の間に個別中間面談を行います。
5, マインドフルネスの関連情報をWebsiteで読むことができます。
6, MBSR修了生限定の瞑想会（月2回、土曜日朝）に無料でご参加頂けます。
7, プログラム修了後も質問など講師とメールでやりとりできます。
8, 修了生の方は、講師の個別相談を¥12,000／1時間のことろ、ご優待価格¥5,000／1時間でご利用頂けます。
9, 医療、教育などの現場でマインドフルネスの応用を考えている専門家のためのスタディグループを企画中です。詳細が決まり次第いち早く情報をお届けします。


MBSRで扱わないもの

仏教の思想や哲学
マインドフルネスは仏教にそのルーツを持ちますが、MBSRは現代を生きる人々のセルフケアのプログラムとして体系化されたものです。仏教的な色合いの濃いものをお求めの方は、別のプログラムに参加されることをお勧めします。

マインドフルネスの応用
マインドフルネスを治療やカウンセリング、授業、職場のメンタルヘルス対策などにどう使うか、といった応用方法は扱いません。多くの専門家の方がマインドフルネスを用いた支援に深い関心をお持ちですが、マインドフルネスを支援に応用するためには、支援者自身がマインドフルネスを深く知ることです。まずはご自身のために学ばれることをお勧めします。

MBSR参加費

通常 ￥60,000（税込）
→ ご優待価格￥45,000（税込）
お申し込み方法はオリエンテーション参加の方にご案内します。


（イラストはイメージです。本プログラムはオンラインで行います。）

参加者の声

Yさん
職場などでのやり取りで、プログラムで経験したような気負わないゆったりしたやり取りをしようとしている自分を感じている。自他ともに「尊重」しあうことで、良さを引き出せるのではないかと感じている。

Eさん
マインドフルネスな集団の中で自分もマインドフルネスでいようとすると、自身の気付かなかった内面に触れることになり、それをメンバーとともに分かち合う体験がとても心地よかった。緊張してしまう場面や、何か感情が混乱してしまうような場面で、わりと冷静にいられるようになった。

Kさん
負の感情が沸き起こってきた時に今までなら、無意識に否定したりなかった事にすることが多かった。今は鏡に映った自分をありのままを受け入れようとし始めている。 否定しても無いことにしても自分の中には残っている。今までは、それを繰り返してモヤモヤしてきたのかもしれない。

よく頂く質問

Q.心理士や医療従事者などではないですが参加できますか？

A. MBSRはマインドフルネスを学びたい方はどなたでもご参加頂けるプログラムです。講師の属性上、心理士や医療従事者に向けてご案内していますが、年齢、性別、職種などの垣根なく学んで頂けます。

Q. 学生でも参加できますか？

A. はい学生さんもご参加頂けます。学生生活の中で生じるストレスとうまく付き合っていく方法を学ぶ場となるでしょう。また、将来医療や教育の場で働くことを目指している学生さんにもお勧めです。

Q. やらない方がいい人はいますか？

A. 解離症状や強いトラウマをお持ちの方、希死念慮が強くある方は瞑想によるリスクがありますので参加を控えることをお勧めします。

Q. 欠席した場合はどうなりますか？

A. 欠席回のセッションは録画をご視聴頂けます。

Q. 欠席になる日が多くなりそうなのですが、そのような場合はどうすればいいですか？

A. 本プログラムは、実践や知識を積み上げていくように構成されています。また、参加者の方同士の繋がりも大事な要素になっていることから、現時点ですでに3回以上のご欠席が確定している場合は、ご自身の学びの質を担保する意味で次回以降のご参加をお勧め致しております。

Q. 途中でキャンセルした場合、返金制度はありますか？

A. １回目のセッション開始前にキャンセルされた場合は、手数料 ¥5,000を引いた金額を返金致します。セッション開始後にキャンセルされた場合は、お申し出頂いた日以降の未受講セッション数に¥5,000をかけた総額から手数料 ¥5,000を引いた金額を返金致します。
例）５回目のセッション開始前にキャンセルされた場合
　　5 × ¥5,000 – ¥5,000 ＝ ¥20,000のご返金
なお、6回目のセッション終了以降のキャンセルはお受け致しませんのでご注意ください。