「ギャング・エイジ」公演

＜あらすじ＞

主人公エイジは、元気で人気者な小学4年生。

お笑い好きのタカヒロや優等生のミサキ、虫が好きなちょっと変わったココロ、ユニークな同級生たちと毎日を過ごしていた。

そんなある日、偶然が重なり、突然エイジは「らんぼうもの」のレッテルを貼られてしまう。どうしていいかわからないエイジは学校を逃げ出し、中学生のイサオと出会う。

「弱い者いじめはダメだ。迷惑たれながす奴もだめだ。かっこいいギャングになるんだ」と語るイサオ。

エイジは決めた。

目指すは＜かっこいいギャング！＞

こうして孤独を決めこんだエイジ。けれど、やっぱり親友タカヒロのピンチは放っておけない。ココロの機転でそのピンチを乗り切ったエイジたちは次なる作戦、ココロの夢の実現に乗り出す。

「夢は見るもんじゃない。叶えるもんだ」…？！

さあ果たしてココロの夢は叶うのか、そして、それぞれの夢の行方は？

＜制作にあたって＞

原作／阿部　夏丸（処女作「泣けない魚たち」で第11回坪田譲二文学賞・第6回椋鳩十文学賞のダブル受賞。「オタマジャクシのうんどうかい」で第14回ひろすけ童話賞受賞）

脚色／いずみ　凜（現在フリーの脚本家。日本全国の様々な劇団の脚本を執筆。近年の舞台脚本は「ハンナのかばん」「銀のロバ」「おさな星のうたたね」など）

今の大人社会は、子どもたちを許容することができるかどうかが問われているのではないだろうか。

目の前にいる子がどうしたいのか、どうありたいのか、何故そうするのかより、その子の行動が世間の常識からはみ出していないかどうかが基準になり、挙句の果てに子どもが動くより先に管理や制限をしてしまう。大人の子どもへのまなざしが子どもに寄り添うものであった時、初めて子どもたちが生きる輝きを放つはずなのに。

遊んだり、ケンカしたりを繰り返し、その中で遭遇したさまざまなトラブルに対し、排除の論理ではなく、自分の思いをぶつけ合い、這い上がっていく子どもたちの姿を表現してみたい。そんな想いがつまった作品です。

普段は、小学校の演劇鑑賞会などで公演を行っていますが、劇団風の子中部創立１０周年を記念し、広く一般の方々にも観ていただきたいと、自主公演を開催致します。

是非この機会に「ギャング・エイジ」をご覧ください！！

＜観劇後の方々からの感想文より＞

・子どもたちのすぐ後ろで観ましたが、”まえのめり”で観ている様子がよく分かりました。役者さんのセリフに思わず返事したり話しかけたり。隣近所の友だちと顔を見合わせ、笑いあっている姿。確かに、子どもたちの心が動いている、揺さぶられている、と感じました。（大人）

・エイジたちの仲間関係が羨ましく、意地悪な子もひっくるめた一人ひとりのキャラクターが愛おしく思えました。仲間と一緒に、その時その瞬間を楽しんで、明日を信じて突き進むエイジたち。子どもたちのたくましさを感じました。（大人）

・いちばんさいこう。めっちゃさいこう。おもしろかったよ。またあいたいです。（小1）

・ぼくが一番気にいったキャラはトオルです。トオルは悪キャラで、トオルがいないと物語はすすみません。トオル、イサオがエイジをイラッとさせたりやる気にさせたりしました。今日のことはぜったいわすれないようにします。（小4）

・えいじが「テロリスト」「ひどい」などといわれているときに泣いてしまいました。私の現状みたいだったからです。ココロちゃんが、トオルに、ギャングのまねをしているところがすっきりしました。（小5）

・「かっこいい不良」と「いいひと」は紙一重だ、というセリフが印象強く残っています。１つの物事に対する感じ方は人それぞれ違うということを感じさせられました。（小6）